中古品の売買事業を始めるにあたり、個人事業ではなく会社として事業を行いたいというご希望をお持ちの方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、当事務所でもそのようなご質問やご要望をお伺いすることがよくあります。
会社を設立して法人で古物商許可
特に、前職などで何らかのノウハウや人脈、取引先などを構築しており、事業さえ始めてしまえばそれなりの収益が期待できるという場合。最初から会社を作ってしまうことで、会社(法人)としてのメリットを当初から享受することが期待できます。
古物商許可上のメリット
当初から会社を設立するメリットの多くは、取引先への信用面や税金面などに生じますが、古物商許可に限っては「法人化の際に取り直しが不要となる」というメリットがあります。
これは、個人事業として古物商許可を取得したあとで、事業がすぐ軌道に乗って法人化を考えるとなると、個人の許可を返納することを条件に会社の許可申請を行うことになるなど、再度の審査期間や手数料を含め手間や費用に無駄が生じてしまうデメリットの裏返しです。
会社を設立して古物商許可を取得するための手順
会社を作って許可を得て事業開始、という流れは決まったとしても、実際にこの手続きを進めるとなると(会社の設立に慣れているという人も稀でしょうから)たいていは「さて、何から手をつけたらよいものやら」と迷われるかと思います。
具体的には、次のように進めるとスムーズなことが多いでしょう。
※ご自身で両手続きを進められる場合の例です。
- 会社のメンバー(株主や役員となる人)を決定します。1人で会社を設立して、1人代表取締役となる方も多くいらっしゃいます。
- 個人の印鑑証明書や住民票、身分証明書(本籍地役所発行)、登記されていないことの証明書など、会社の設立や古物商の許可で必要となる添付書類を集めます。
- 手順1、2と並行して、会社の名称や事業目的、事業年度など、基本事項を決めていきます。特に、会社の本店をどこにするかは、後の古物商許可の際に重要となりますので十分注意して決めてください。(バーチャルオフィスなどでは原則、許可が下りません)
- 念のため、同じ会社の名称(商号)が近所で使われていないか、法務局で類似の商号を調べます。あわせて、インターネットでも商号の検索をして、有名企業などと類似していないかどうかなど、確認しておくほうが無難です。また、せっかく法務局に足を運ぶのですから、後日の設立登記に関する疑問点などは、この時点であわせて相談しておくほうがよいでしょう。
- 会社の実印として使う印を印鑑業者さんに発注します。
- 会社の根本規則である定款を作成します。
- このあたりで会社の基本事項が固まってきますから、古物商の許可申請書などをラフに作りつつ、可能であれば管轄警察署で必要書類や会社の事業目的に問題がないか(古物商許可の取得に支障がない事業目的となっているか)などを、定款案を持参して確認してもらいます。
- 会社の資本金を銀行口座に振り込みます(この時点では会社の口座がないため、便宜上、代表取締役個人の口座に振り込んで通帳のコピーをとっておきます)
- 公証役場で、定款を公証人から認証してもらいます(手数料がかかります)。
- 取締役決定書や就任承諾書、資本金の払込証明書など、設立登記に必要となる各種書類を作成します。
- 法務局にて設立登記の申請を行います。登記申請を行った日が会社の設立日として、後日の登記事項証明書に記載されることになりますから、記念日などを指定する場合にはこれ以前のスケジュールを調整して対応することになります。
- 申請後、1週間から2週間程度で法務局の審査が完了しますので、履歴事項全部証明書などを数枚取得します。また、会社の印鑑カードもこの際に作っておくと便利です。
- 履歴事項全部証明書や定款の写しなどを合わせて、管轄警察署に古物商の許可申請を行います。
- 警察署の審査期間は、おおむね1ヶ月半程度かかります。
- 古物商とは関係ありませんが、税務署や都道府県税事務所への法人設立届も忘れずに。
- 審査完了後、警察署にて古物商の許可証を受領します。
会社設立と古物商許可の手続き代行をご希望の方へ
当事務所では、上記の会社設立および古物商許可申請に関する手続きの代行・サポートを承っております。
もしご自身で進められることにご不安があったり、事業自体の準備に時間を割かれて進めることが難しいという場合などは、一度ご相談いただければと思います。
詳細は、古物商許可+会社設立パックをご参照ください。